『エンビーの深夜ソフビ雑談』当日版権 ソフビについて
- エンビー

- 6 日前
- 読了時間: 6分

〜1年前のお便りに今さら答えてみる回〜
どうもこんばんは。深夜テンションでのソフビ雑談、ゆるっと始めていきます。
今日はですね…… 1年前にいただいていたコメントを、今さらながら読み返してみようと思います。遅くなってしまって本当にごめんなさい。でも、せっかく造形に興味を持ってくださった方からの質問なので、 このタイミングでしっかりお返ししておきたいと思います。
📮【当日版権 ソフビについて】
「当日版権ソフビって、原型・金型・成型・彩色……工程が多すぎて大変そうです。 WFに間に合うものなんでしょうか? そのあたりの“痒いところ”を聞かせてもらえたら嬉しいです!」
ありがとうございます。 造形の世界に足を踏み入れたばかりの方が抱く素朴な疑問として、とても自然な視点です。
ただ、その前にひとつだけお伝えしておきたいことがあります。
🏭【エンビーは“特殊な工場”です】
エンビーは、ソフビ制作の工程のうち 外注しているのは “金型” と “彩色マスク” のみ。
成型、彩色、パッケージ制作、イラスト制作…… ほとんどを自社内で完結できる体制です。
でもこれは単に「全部できる」という話ではありません。
🧩【エンビーの強みは“チームで全体を理解している”こと】
成型職人、彩色職人、原型師、イラストレーター。 それぞれが 全工程を理解したうえで動いている チームです。
「この形状なら成型が安定する」
「この色なら彩色の段取りが組みやすい」
「この分割なら金型の負担が減る」
こうした“工程をまたいだ会話”が日常的に行われています。
つまり、 アイデアを“思いつき”で終わらせず、確実に“形”にできる組織 として機能しているわけです。
これは個人作家さんとはまったく違う強みで、法人としての運営管理があるからこそ成立している部分でもあります。
🧑🎨【そして大切なこと:原型は外部の才能にも支えられている】
「ほとんど内製」と言いましたが、原型に関しては外部の素晴らしい原型師さんたちの力もお借りしています。
こちらの無茶なアイデアにも真摯に向き合い、作品を一緒に作り上げてくださる方々です。
エンビーのものづくりは、社内のチームワークと、外部の原型師さんの技術と感性、 その両方に支えられています。
🎧【特集:一般的な当日版権ソフビの流れを深掘り】
ここからは、 一般的な個人ディーラーさんが当日版権でソフビを作る場合 の流れを、もう少し踏み込んでお話しします。
📝①【版権申請:実は“段階制”で進む】
当日版権申請には、
予備申請(仮申請)
本申請
という段階があります。
そして本申請では “原型の写真” が必要。
つまり── 予備申請の段階までに、原型はある程度完成していなければならない。
🕒【半年では無理。1年スパンで考えるのが普通】
ワンダーフェスティバルは年2回、約6か月間隔。
しかしソフビ制作は、
原型
金型
成型
彩色
パッケージ
版権審査
調整
トラブル対応
これらを全部やると、半年ではほぼ不可能。
だから多くの作家さんは、
次回ではなく“次々回”(1年後)を目標にする
複数作品を同時並行で進める
という“長期戦の段取り”で活動しています。
造形イベントへの参加は、短距離走ではなく完全にマラソンです。
🔍③【原型審査:内情は分からないけれど、姿勢がすべて】
原型審査の内部事情は作家側には分かりません。
ただひとつ確かなのは、
版元様からコメントをいただいたら、誠実に対応すること。
僕たちはあくまで 「キャラクターをお借りしている立場」。
だから、
返信は丁寧に
修正は迅速に
やり取りは誠実に
これは最低限の礼儀です。
🧰④【金型制作:ここで“時間の重さ”を知る】
金型制作は、ソフビ工程の中でも最も時間が読めない工程。
もし金型屋さんから 「3か月かかります」 と言われたら──
イベント開催まで、半年の準備期間の場合、半分が“金型待ち”で消える。
そしてここで絶対に言ってはいけない言葉がある。
「うちの金型を優先してください」
これは本当に避けるべきです。 金型屋さんは常に全力で仕事をしているし、 あなた中心で世界は回っていません。
余裕を持って依頼できなかった自分を反省するべき。
🏭⑤【成型:工場はあなたのためだけに動いていない】
成型も金型と同じで、 イベント前はどこの工場も地獄のように忙しい。
ここでよくある勘違いがこれ。
「密な連絡=毎日電話・毎日メール」
違います。
それはただの妨害です。 工場の手を止めるだけで、逆に遅くなります。
工場から見れば、個人作家のソフビ制作は 数千~数万個の生産のうちの数%個程度。
つまり、 生産能力の1%にも満たない“善意の仕事”。である場合がほとんどです。
それなのに、
「自分を優先しろ」
「もっと丁寧に扱え」
「私の言うことを聞け」
こんな態度を取れば、 工場の人だって人間です。
「この人の仕事はもう受けなくていいな」
と判断されても仕方がありません。
ソフビを「仕事にする」という事はこの仕事をしながら「生きていく」ために
お金を稼がなくてはなりません。生々しい話ですが、生産キャパの1%未満の仕事に そんなに時間と手間をかけてしまっていては、工場で働く全員で食っていく事は出来なくなってしまいます。
工場は敵ではなく、あなたの作品を一緒に作ってくれる仲間。 敬意を持って接することが何より大事です。
🎤【造形という文化の話を】
最後に、少しだけ造形文化について触れさせてください。
ワンダーフェスティバルは、 世界でも類を見ない規模の“造形の祭典”です。 そして、当日版権という仕組みを扱えるイベントは、 世界的に見てもほとんど存在しません。
これは、日本独自の、非常に希少で価値のある文化です。
ガレージキット、ソフビ、3Dプリント…… どれも最初は「個人の趣味」から始まり、 長い年月をかけて、ここまで大きな文化に育ってきました。
その背景には、 先人たちの試行錯誤や、 造形を愛する人たちの積み重ねがあります。
僕たちは、その歴史の延長線上に立っているだけなんですよね。
造形は、 作る人も、見る人も、買う人も、 それぞれの立場で楽しめる“面白い世界”です。
だからこそ、 版元様のご厚意や、運営の努力、工場の支え、 そしてファンの存在に、静かに感謝しながら、 この文化を大切にしていけたらいいなと思っています。
🎧【おしまい】
というわけで、 1年前のお便りに今さら答えてみました。
また気になることがあれば、 いつでもコメントを残して
ください。 次は、もう少し早めに読みます。たぶん。

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