第二章:造形について(原型制作の世界へようこそ)
- エンビー

- 5月13日
- 読了時間: 4分

ソフビ制作の第一歩である「設計」を終えたら、いよいよ次のステージ “造形(原型制作)” に進みます。
ここからが本番。 ここからが地獄。 そして、ここからが最高に楽しいところです。
■ 原型制作とは?
原型とは、ソフビの“元になる立体物”のこと。 この原型をもとに金型が作られ、そこから量産が始まります。
つまり、原型の完成度=作品の完成度 と言っても過言ではありません。
「イラストは描けたけど、立体にするのは難しそう…」 そう思う人は多いですが、安心してください。
原型制作は、・粘土 ・パテ ・彫刻・3D造形・デジタルスカルプト など、いろんな方法があります。
どれが正解ということはなく、あなたの作風や予算、得意不得意で選べばOK です。
■ 原型制作の最初の壁:立体の“嘘”と向き合う
イラストは平面。 原型は立体。
ここで必ずぶつかるのが 「イラスト通りに作ったのに、なんか違う…」問題。
これは誰でも通る道です。
立体物は、・光の当たり方 ・影の出方 ・角度による見え方 ・ボリューム感 など、平面では存在しなかった“嘘”が必要になります。
例えば、イラストでは小さく見えた目が、立体にすると埋もれてしまう。逆に、鼻が思ったより大きく見える。
こういう認識の“ズレ”を調整していく作業こそが、原型制作の醍醐味です。
■ 原型制作の方法:アナログとデジタル
● アナログ造形(粘土・パテ)
昔ながらの方法で、手の感覚を頼りに形を作っていきます。
メリット
・直感的で楽しい
・細かいニュアンスが出しやすい
・材料費が比較的安い
デメリット
・左右対称を作るのが難しい
・修正に時間がかかる
・データ化が必要な場合もある
● デジタル造形(ZBrushなど)
近年主流になりつつある方法。
メリット
・左右対称を作るのが簡単
・修正が比較的楽
・データの保存複製が容易
・3Dプリンターと組み合わせれば原型出力できる
デメリット
・ソフトの仕様によって技術習得に時間がかかる
・ある程度のPCスペックが必要な場合がある
・プリント後の仕上げ作業は結局アナログ
どちらが良い悪いではなく、自分が続けられる方法を選ぶのが一番 です。
■ 原型制作で気をつけるポイント
● ① ソフビは“抜ける形”で作る
スラッシュ成型は金型の中に液体を流し込む方式なので、 抜けない形状はNG です。
・深すぎる溝 ・逆テーパー ・細すぎる突起 ・複雑すぎる凹凸
こういった部分は、 金型で再現できなかったり、成型時に破損や不良につながります。
● ② パーツ分割を意識する
ソフビは基本的に ・頭 ・胴体 ・腕 ・脚 など、複数パーツに分かれます。
原型の段階で 「どこで分割するか」 を考えておくと、後の工程がスムーズです。
● ③ 肉厚を意識する
スラッシュ成型は中空構造なので、肉厚が薄すぎると凹むし、厚すぎると重くなります。
原型の段階で “中に空洞ができる” という前提を忘れないようにしましょう。
■ 原型制作は“孤独な戦い”ではない
原型制作は、「自分との戦い」みたいに語られがちですが、実際はそんなことありません。
・原型師に依頼する ・友人にアドバイスをもらう ・SNSで意見を聞く ・3Dデータを外注する
など、頼れるところは頼ってOKです。
むしろ、 ひとりで全部抱え込むほうが危険 です。
あなたの作品は、 あなたが思っている以上に、誰かの力を借りていいんです。
■ 最後に:造形は“苦しいけど楽しい”世界
原型制作は、 ・思い通りにいかない ・何度も作り直す ・時間が溶ける ・予算が飛ぶ そんな苦しみがつきまといます。
でも、 形が見えた瞬間の喜びは、何にも代えがたい です。
あなたの頭の中にしかなかったキャラクターが、 現実世界に“立ち上がる”瞬間。
それは、ソフビ制作の中でも 最も感動的な体験のひとつです。

次回予告:第三章「金型」について
原型が完成したら、 次はソフビ制作の最大の山場 “金型” に進みます。
ここからは・予算 ・技術 ・覚悟 が試される、本当の勝負どころ。
でも安心してください。 ひとつずつ解説していきます。


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